＜人生で繰り返されるネガティブなストーリーを変える＞

考えてみると、私たちの人生というものは途切れることなく、本来ただ流れているだけなのです。

ところが人間というのは、この途切れのない時間を区切ることで意味を持たせたり、理解しようとします。

例えば、カレンダーには、１日、１週間、１カ月、１年という区切りがあります。

１年という区切りにおいて、新年の豊富を考えたり、新たなスタートといった、すがすがしい気持ちになったことが誰にでもあるのではないでしょうか。

自然にも月の満ち欠けや四季といったサイクルもありますが、本来、時間も人生もただ流れているだけなのです。

他にも、自分の人生の始まりと終わりを区切りとして考える。

また、自分の子供が誕生した時が何か１つの始まり。自分の近しい人が亡くなった時、それを何かの節目と考える。などがあります。

つまり、途切れない命の流れを区切って、１つのかたまりとして考え、意味を得ようとします。

ストーリー（物語）も同じで、ただ流れているだけのものに、始まりと終わりの区切りをつけることによって、深く意味を理解しようとする役割を果たしてくれるのです。

そして時に、人生の中での区切りが、自分の中で繰り返されるネガティブなパターンをつくり出していることがあります。

例えば、

• 私はいつも約束を忘れてしまう
• 私は直ぐに物を失くす
• 私はいつも人に裏切られる

などの短い文の中にもその奥に、その人にとってのストーリーが心の深いところにある場合、ネガティブな事実と感情によって区切られてしまっているのです。

マインド科学の研究では、そのストーリーがどのように終わり、感じるかで、そのストーリーまでの全ての体験が決まってしまうと言われています。

例えば、「私は恋人ができても、必ずフラれる。」という悲しいネガティブな気持ちで終わるストーリーを持っていると、

一緒に過ごした楽しい時間や幸せな体験が無くなるどころか、すべてが悲しい思い出に変わってしまうのです。

そのようなストーリーを持ってしまい、それが自分の人生だと信じ、抜け出せなくなっている人に対して効果的なのが、「ストーリーの区切りを変える」ということです。

例えば、「私は恋人ができても、必ずフラれる。」というスト―リーを持っている人は、よくよく聞いて見ると、フラれてもその後、新しい恋人ができているのです。

フラれた後、「どう立ち直るのか」と聞いてみることで、次の恋人ができるまでのプロセスを話してくれます。

そこで、「私はフラれても、次の恋人ができて楽しい時間を過ごす」とストーリーの終わりを変えてしまうのです。

そうすると、

「フラれて悲しい」から「恋人と楽しい時間を過ごす」

というポジティブな感情でストーリーが終わるので、ネガティブなパターンがポジティブなパターンに変わります。

さらには、「フラれるかもしれないけど、その後には新しい恋人との楽しい時間を過ごせる」という人生のストーリーを信じている人は、

いつかフラれると思っている人とは違い、ポジティブな発言や振る舞いが増えるので、結果として、フラれるということさえも変化し、無くなっていくのです。